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2020年07月17日 [ニュース]

28/110 熟年高齢者(75歳以上)の外科手術は生活の質を下げる

私は、自分の身体にメスを入れるということを、生理的にどうしても受け入れられません。でも世の中の医者は、いとも簡単に「切りましょう」と言うんですよね。なぜかと言うと、「身体に悪いところがあれば切り取るのが外科医の仕事。手術はがん治療のプロフェッショナル・スタンダードで、がんと診断しておきながら何もしないというのは外科医の倫理に悖る」という教育を、長きに渡り受けてきたからです。だから、外科医は取れるがんは取るし、一方で知識や情報を持ち合わせていない患者側も、医者からそう言われたら、がん治療の第一選択肢は手術と信じて疑うことができないわけです。

数年前、ご主人(84歳)が末期の大腸がんと診断され、慌てふためいて相談に飛んでこられた女性がいました。すぐに摘出すれば成功の確率はほぼ100%だと言われたそうですが、当のご主人が死んでも手術だけはイヤだと。そこでご主人と会って話してみると、本人は痛くも痒くもないと仰る。84歳。日常生活に支障はまったくない。術後の人生のことまで含めて考えたら、どう考えても摘出手術のリスクのほうが高いに決まっている。私は、手術は死んでもイヤという直感は当たっている可能性が高いように感じると伝えました。

つい最近、77歳の女性が肝臓がんと宣告された。転移もひどく末期とのこと。にもかかわらず本人には何の自覚症状もなく、一年前の検査では異常なしだったという。相談していただいた時点で一切苦痛がないということなので、ちょっとじっくりと考えましょうということにしました。そして、すぐにセカンドオピニオン、サードオピニオンです。これだけ重篤な診断結果です。複数の専門医に見解を聞かずして手術するなどはもってのほかですからね。その結果、末期がんであることが確定しましたが、摘出手術を勧めた医者が2人、手術反対が3人。最終的に彼女が選択したのは、こう伝えた医者の意見でした。

「年齢的なことや広範囲への転移を考えると、まず摘出手術は絶対に避けるべきかと思う。例え手術が成功しても後々の生活がキツい筈。術後の放射線照射や抗がん剤投与は、いずれも非常につらい副作用の覚悟が必要になる。何より気分が悪くてどうしようもない場合が多い。現時点で痛みがないのであれば、そんなリスクを犯す必要もない。私のおふくろであったらそう言います」。

基本的な考え方として、そもそもがんは生活習慣病。つまり、糖尿病や高血圧と同様、現代の西洋医学では根治できない病気なのよ。がんのような内なる病気に対しては、根本原因を取り除かない限り、むしろ治療すればするほどがんの患者さんが死んでいくという傾向すらあるの。
両方のケースとも、患者さんが高齢という点を考慮して、食事、運動、適温維持等の生活改善で免疫力を高める工夫をしていくことになりました。その結果、お二人とも腫瘍マーカーの値に改善が見られ、今でもにこやかに暮らしています。


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