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2019年09月03日 [ニュース]
後期高齢者の無料がん検診
百寿グループの地元・ここ横浜市でも、後期高齢者の受診を無料化するなど、全国で盛んにがん検診(大腸・胃・乳・肺・子宮・前立腺)が推進されれています。年配の方は「無料」に弱いので、どこも痛くも痒くもない人たちがこぞって医療機関に検診を受けに訪れます。
ですが、私自身は「検診はムダだ」というのが持論です…。
検診全般のことを考えたとき、毎年1兆円ずつ医療費が増えていっている現状から判断すると、たぶん、検診一般の効果は上がっていないと思われます。定期的に検診を受けることを習慣化して病気が減るのであれば検診を受ける意味もあります。検診結果に「このままの状態が続けば○○の病気になります」等と書いてあり、「あなたは○○と○○をして○○の病気を回避しましょう」等のアドバイスや改善のための具体的な方法でも記載されているのであれば患者さんにとってメリットもあるのでしょうが、何もないのであれば定期的に検査を受ける意味はありません。
従来のわが国の検診というのは、検査して数値を知らせるだけというものでした。ところが最近の検診はもっとタチが悪くて、グレーゾーンを広げて要精密検査の人を増やしたり、日常生活に支障のないレベルの些細な出来物を無理やり見つけて摘出手術に誘導したりするような商売のやり方が散見されます。しかし、それが行き過ぎると、日常生活になんの支障もないレベルの些細な異常所見を強調して病気や病人を作りだすことにもなりかねません。
こんなことをしていたのでは、検診により病気が減るどころか、むしろ医療費は年々増加し、病人が増えていくのは当たり前です。なぜかと言うと、こういうことをしていると、検査結果によってストレスを覚えたり、痛くも痒くもなかった身体にメスを入れることで術後の生活に支障が出たりして、本当に病気になってしまう人たちが増えてしまうからです。
このような摩訶不思議な検診が全国津々浦々、国家的規模で推進されているわけですから、今日の医療財政の破綻は当然の結果と言えますよね。無料検診には、私たちが汗を流して働いて納めた税金が使われています。それでも効果があって、国民の病気が減り、健康なひとがどんどん増えているならいいでしょう。これまで全国の自治体では、毎年の健康診断で国民が健康になったかどうかをまったく検証しないできました。その効果を測定することもなく、さらにここ数年ではがん検診が強力に推進されています。
実は、これまでにも、検診の有効性について否定する公的なレポートが日本に存在しています。1998年に当時の厚生省・公衆衛生審議会が、「子宮体がん、肺がん、乳がんは、現在の検診では実施してもなくても、がんの発見率は変わらない」と報告しています。また、過去の新聞記事を拾ってみると、「大腸がん検診の有効性の評価を行う厚生労働省の研究班は、集団検診での内視鏡・エックス線検査や直腸指診に否定的な見解を示し、自治体が実施する集団検診や職場検診など集団対象には奨められない」(2005年3月23日の朝日新聞)という記事もあります。
にもかかわらず、自治体の広報では有効性が謳われています。厚労省が否定的な見解を示したものを職場や市の広報で推奨しているというのは実に不可解なことだとは思いませんか?
受診者は時間とお金を無駄にするだけでなく、身体にとって好ましくない放射線を浴びる等、不利益ばかり被る可能性だってあるのです。内視鏡や×線による検診には一定割合で事故のリスクがあります。また、検査機器が人体に与える悪影響も見逃せません。レントゲン検査の放射能、検査機器の電磁波など、医療機器で人体にまったく害をなさないものはありません。妊婦のお腹に超音波を当てて胎内の赤ちゃんを見るエコー検査も、激しく細胞分裂している胎児に大量の電磁波を浴びせることが危険でないはずがないでしょう。
米国では、その有効性がないということで肺がん検診は25年以上も前に止めています。肺がん検診での発見率は0.04%程度であることが判り、この程度の発見率ではコストをかける意味がないと判断されたからです。その数年後には、英国でも廃止されています。しかし日本では、米国が肺がん検診を止めた翌年から、医療機関や自治体が積極的に肺がん検診を推進しているのです。つくづく不思議な国だと思います。利益を享受するのは医療機関ばかりです。科学的根拠を謳う西洋医学の医師たちがが、どうして無効な検診を行うのか私には理解できません。
これでは、検診とは国民の健康を維持するためのものではなく、検診に関わる人たちの職場を確保したり、医療機関の経営を健全化させたりするために行われているような気がしてきます。そう考えると、健康診断を受ければ健康を維持できるとか、早期発見早期治療すればがんは怖くないとか、国民に対して刷り込みを行うのも妙に納得できてしまうのです。
親交のあった元・新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授(故人)は、がんになりたくなかったら「がん検診を受けるべからず」と言い切っていました。それには2つの理由があって、まずひとつは、がん検診は疑わしいものを広くひっかけて精密検査をします。ひとりの胃がん患者を見つけるために、だいたい20〜30人を抽出するわけです。ですから、当然関係ない人まで「がんの疑いあり」ということで精密検査をしなければならなくなります。これは大変なストレスになります。おそらく、がんになったと同じくらいの大変なストレスがかかると予測されます。それで本当に発がんしてしまう人もいるくらいです。世界には、検診グループのほうが発がん率が高いという論文がたくさんあります。米国でも日本でも検診グループのほうが発がん率が高いというのが定説になってきています。
もうひとつの指摘は、いまのがん検診は、早期発見・早期治療が必要だからといって無理やり見つけては切除して抗がん剤や放射線で本格的な治療を始めようとします。ですが、それで100%治るという保証はありません。これは放っておくよりもむしろ危険です。早期発見・早期治療と言っても、治療法が間違っていたとしたら話はちがってきます。がんによる死亡が20年もの間、増え続けています。よくあるのが、摘出手術は成功したにもかかわらず、結局は亡くなったというケースです。私の感覚でいったら、5年以内に9割以上の方がそうではないかと思います。本来、適切な治療をしていれば徐々に停滞してくるはずですから、結局、西洋医学が推奨する「早期発見・早期治療」は逆効果になっているということになります。どうも目に見えない圧力が働いて、がん撲滅の幻想を与えつつ、検診や健診の有効性を無視してやみくもに社会適用している気がしてなりません。
さいごに、日本の病医院が患者さんに盛んに検査を進めるわけについて触れておきます。それは極めて単純明快で、云億円もする検査危機を買ってしまったからです。買ってしまったら、どんどん使ってコストを回収しなければならないのは当然です。今日ほど国民医療費の問題がとやかく言われなかった時代。それは患者さんたち(特に高齢者)が医療はタダだと思って病医院に日参していた時代でもあります。患者さんが費用負担しなくても、病医院には国からジャンジャンお金が入ってきます。病医院はさらに儲けようと、最新鋭の機器をどんどん購入します。それを売りにしてひとりでも多くの患者さんを集めようとしました。ほんの10年前のことです。その習性がいまでも根強く残っています。
日本の医療機器の充実ぶりは異常です。米国や英国の病院に較べて、CTスキャナーやMRIなどの高額精密機器の設置台数は群を抜いています。OECDの統計によれば、日本は世界最多のCTスキャナーとMRIを保有しています。人口100万人当たりのCTスキャナー数は約100台、米国の3倍。検査の有効性を認めていない英国と比べたら何と12倍です。もうこれ以上言うまでもないと思います。
なお、私の周囲には健診や検診なんぞ受けたことがないという医師が非常に多いことを書き添えておきます。彼ら自身がその有効性を信じていない証拠ではないでしょうか。
やぁ。ちょっと肩に力を入れすぎました…。この手の話になると、気合が乗ってきてしまうもので…。悪しからずご了承ください。
ですが、私自身は「検診はムダだ」というのが持論です…。
検診全般のことを考えたとき、毎年1兆円ずつ医療費が増えていっている現状から判断すると、たぶん、検診一般の効果は上がっていないと思われます。定期的に検診を受けることを習慣化して病気が減るのであれば検診を受ける意味もあります。検診結果に「このままの状態が続けば○○の病気になります」等と書いてあり、「あなたは○○と○○をして○○の病気を回避しましょう」等のアドバイスや改善のための具体的な方法でも記載されているのであれば患者さんにとってメリットもあるのでしょうが、何もないのであれば定期的に検査を受ける意味はありません。
従来のわが国の検診というのは、検査して数値を知らせるだけというものでした。ところが最近の検診はもっとタチが悪くて、グレーゾーンを広げて要精密検査の人を増やしたり、日常生活に支障のないレベルの些細な出来物を無理やり見つけて摘出手術に誘導したりするような商売のやり方が散見されます。しかし、それが行き過ぎると、日常生活になんの支障もないレベルの些細な異常所見を強調して病気や病人を作りだすことにもなりかねません。
こんなことをしていたのでは、検診により病気が減るどころか、むしろ医療費は年々増加し、病人が増えていくのは当たり前です。なぜかと言うと、こういうことをしていると、検査結果によってストレスを覚えたり、痛くも痒くもなかった身体にメスを入れることで術後の生活に支障が出たりして、本当に病気になってしまう人たちが増えてしまうからです。
このような摩訶不思議な検診が全国津々浦々、国家的規模で推進されているわけですから、今日の医療財政の破綻は当然の結果と言えますよね。無料検診には、私たちが汗を流して働いて納めた税金が使われています。それでも効果があって、国民の病気が減り、健康なひとがどんどん増えているならいいでしょう。これまで全国の自治体では、毎年の健康診断で国民が健康になったかどうかをまったく検証しないできました。その効果を測定することもなく、さらにここ数年ではがん検診が強力に推進されています。
実は、これまでにも、検診の有効性について否定する公的なレポートが日本に存在しています。1998年に当時の厚生省・公衆衛生審議会が、「子宮体がん、肺がん、乳がんは、現在の検診では実施してもなくても、がんの発見率は変わらない」と報告しています。また、過去の新聞記事を拾ってみると、「大腸がん検診の有効性の評価を行う厚生労働省の研究班は、集団検診での内視鏡・エックス線検査や直腸指診に否定的な見解を示し、自治体が実施する集団検診や職場検診など集団対象には奨められない」(2005年3月23日の朝日新聞)という記事もあります。
にもかかわらず、自治体の広報では有効性が謳われています。厚労省が否定的な見解を示したものを職場や市の広報で推奨しているというのは実に不可解なことだとは思いませんか?
受診者は時間とお金を無駄にするだけでなく、身体にとって好ましくない放射線を浴びる等、不利益ばかり被る可能性だってあるのです。内視鏡や×線による検診には一定割合で事故のリスクがあります。また、検査機器が人体に与える悪影響も見逃せません。レントゲン検査の放射能、検査機器の電磁波など、医療機器で人体にまったく害をなさないものはありません。妊婦のお腹に超音波を当てて胎内の赤ちゃんを見るエコー検査も、激しく細胞分裂している胎児に大量の電磁波を浴びせることが危険でないはずがないでしょう。
米国では、その有効性がないということで肺がん検診は25年以上も前に止めています。肺がん検診での発見率は0.04%程度であることが判り、この程度の発見率ではコストをかける意味がないと判断されたからです。その数年後には、英国でも廃止されています。しかし日本では、米国が肺がん検診を止めた翌年から、医療機関や自治体が積極的に肺がん検診を推進しているのです。つくづく不思議な国だと思います。利益を享受するのは医療機関ばかりです。科学的根拠を謳う西洋医学の医師たちがが、どうして無効な検診を行うのか私には理解できません。
これでは、検診とは国民の健康を維持するためのものではなく、検診に関わる人たちの職場を確保したり、医療機関の経営を健全化させたりするために行われているような気がしてきます。そう考えると、健康診断を受ければ健康を維持できるとか、早期発見早期治療すればがんは怖くないとか、国民に対して刷り込みを行うのも妙に納得できてしまうのです。
親交のあった元・新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授(故人)は、がんになりたくなかったら「がん検診を受けるべからず」と言い切っていました。それには2つの理由があって、まずひとつは、がん検診は疑わしいものを広くひっかけて精密検査をします。ひとりの胃がん患者を見つけるために、だいたい20〜30人を抽出するわけです。ですから、当然関係ない人まで「がんの疑いあり」ということで精密検査をしなければならなくなります。これは大変なストレスになります。おそらく、がんになったと同じくらいの大変なストレスがかかると予測されます。それで本当に発がんしてしまう人もいるくらいです。世界には、検診グループのほうが発がん率が高いという論文がたくさんあります。米国でも日本でも検診グループのほうが発がん率が高いというのが定説になってきています。
もうひとつの指摘は、いまのがん検診は、早期発見・早期治療が必要だからといって無理やり見つけては切除して抗がん剤や放射線で本格的な治療を始めようとします。ですが、それで100%治るという保証はありません。これは放っておくよりもむしろ危険です。早期発見・早期治療と言っても、治療法が間違っていたとしたら話はちがってきます。がんによる死亡が20年もの間、増え続けています。よくあるのが、摘出手術は成功したにもかかわらず、結局は亡くなったというケースです。私の感覚でいったら、5年以内に9割以上の方がそうではないかと思います。本来、適切な治療をしていれば徐々に停滞してくるはずですから、結局、西洋医学が推奨する「早期発見・早期治療」は逆効果になっているということになります。どうも目に見えない圧力が働いて、がん撲滅の幻想を与えつつ、検診や健診の有効性を無視してやみくもに社会適用している気がしてなりません。
さいごに、日本の病医院が患者さんに盛んに検査を進めるわけについて触れておきます。それは極めて単純明快で、云億円もする検査危機を買ってしまったからです。買ってしまったら、どんどん使ってコストを回収しなければならないのは当然です。今日ほど国民医療費の問題がとやかく言われなかった時代。それは患者さんたち(特に高齢者)が医療はタダだと思って病医院に日参していた時代でもあります。患者さんが費用負担しなくても、病医院には国からジャンジャンお金が入ってきます。病医院はさらに儲けようと、最新鋭の機器をどんどん購入します。それを売りにしてひとりでも多くの患者さんを集めようとしました。ほんの10年前のことです。その習性がいまでも根強く残っています。
日本の医療機器の充実ぶりは異常です。米国や英国の病院に較べて、CTスキャナーやMRIなどの高額精密機器の設置台数は群を抜いています。OECDの統計によれば、日本は世界最多のCTスキャナーとMRIを保有しています。人口100万人当たりのCTスキャナー数は約100台、米国の3倍。検査の有効性を認めていない英国と比べたら何と12倍です。もうこれ以上言うまでもないと思います。
なお、私の周囲には健診や検診なんぞ受けたことがないという医師が非常に多いことを書き添えておきます。彼ら自身がその有効性を信じていない証拠ではないでしょうか。
やぁ。ちょっと肩に力を入れすぎました…。この手の話になると、気合が乗ってきてしまうもので…。悪しからずご了承ください。