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2019年08月05日 [ニュース]

不快指数100%の真夏日に出くわした悔恨度数100%のとても残念な相談事例

茹だるような暑さの中、彼は大粒の汗をタオルハンカチで拭いながら、私どもの事務所にやってきました。61歳、男性。大学卒業以来勤め続けた中堅の食品商社を退職したのが今年の春。退職金で再就職先を探す傍ら、妻(64歳)とともに近くに住む老親の身の回りの手伝いをしていたそうですが、6月末に妻が家を出てしまったとのこと。よくよく聴いてみれば、それも致し方ないように思えてくるのですが…。

彼の父親は、91歳で要介護3、母親は要介護4で認知症あり。こんな状態で老親ふたりで実家で暮らしていたというのですから驚愕です。老老介護かつ認認介護という言葉が浮かんできます。こんな老夫婦の面倒を見させられたら、さすがに配偶者が勘弁してくれとなる気持ちはよくわかります。そもそも、相談者夫婦がすでに老老夫婦なのですからね。

どうしてこうなるまで放置しておいたのかと追及したくなる気持ちを抑えて話を聴いていくと、息子さんの相談というのは、両親のおカネのことと、施設さがしのことでした。
ここでは、施設の件は置いておくとして、財産まわりの話です。

なぜかは不明なのですが、父親名義の口座はひとつもなく、すべてが母親名義の口座です。
うち、定期預金が1,500万円ほどあります。ただし、父親は某鉄道会社の株を所有しています。時価で750万円程度です。
で、母親の定期預金を解約したいが、母親はボケてしまって自分の名前も書けないという。
父親は父親で、株式の現金化の話を持ちかけると、興奮して「目の黒いうちは絶対に売らない」と怒り出す始末。さて、どうしたらよいか…というのが相談の主旨でした。

結論としては、残念ながら、もうどうにもなりません。
母親はすでに完全ボケの状態だそうです。24時間、判断能力&コミュニケーション能力が損なわれた状態だということです。こんな状態で、定期預金の解約手続きなんぞできるわけがありません。金融機関からは、家庭裁判所に成年後見人の申請をしろと言われるだけです。ただし、成年後見人は定期預金の解約に首を縦に振らないでしょうから、母親の死後に遺産分割協議を経てからの財産分与になるでしょう。

いわゆるまだらボケの状態であれば、息子さんが母親を連れだって金融機関に出向く。あるいは相手方に電話で事情(身体的理由で店頭まで行けない旨)を伝えれば、自宅まで来てもらえる可能性もありました。

父親の株のことも同様です。想像するに、父親も認知症の可能性が高いと思います。前頭葉の機能が低下し、論理的に物事を思考できなくなっている気がします。だから、息子さんが何をどう説明したとしても、ちょっとしたきっかけで感情がコントロールできなくなって怒り出すのです。父親にかろうじて判断力があれば、公証人に事情を伝え、口頭筆記で遺言状を作成させる。で、相続人を特定しておくくらいしか打てる術はありません。

いずれにせよ、両親ともに判断能力がない以上、定期預金や証券類の売却はできません。成年後見人を付けたところで、息子や他の相続人が生活に困窮しているというエビデンスを示さないかぎり、両親が死ぬまで待つしか方法がありません。キツい言い方をしますが、残念ながら、「親がそなえなかったことで、子ども世代が不便や不利益を被る」典型例です。

ちなみに、相談者の息子さんの他に、ふたりの相続人がいるようです。妹さんも弟さんも、3人揃いも揃って、両親のエンディングについて何の関心も持たなかったというのは恐ろしい話です。財産総額は6千万円くらいあるのですからね。でも、子ども側にも、親の老後に意識を払わずに過ごしてきた責任はあるかもしれませんが、やはり、親のほうに老後のビジョンがなかったことが最大の痛手だと思います。

このお盆休み。子ども世代のみなさんは、親がボケていないか。終活はやっているのか。
言葉を選びながら探りを入れてみてはいかがでしょうか。まさかは突然やってきます。必ず、その時が来ます。あらかじめ心づもりや最低限の準備をしておかないと、あとで泣きを見るのは子ども世代だということを肝に銘じておきましょう。

もしお時間があったら、こちらの動画をご覧ください。



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