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2019年07月28日 [ニュース]

人生50年、夢幻の如くなり ⇒ 人生100年、さいごの25年はギフトと思え

いちばんむずかしいのは、親世代が「覚悟=生前相続」を決行するタイミングです。認知症は、現代を生きるシニアにとって最大のリスクです。後期高齢者の50%がボケる時代なのです。そうなる前はいかに好き勝手に青写真を語っていようと、いざボケてしまったら、そんな青写真は水の泡。ボケたら最後、私たちは判断能力なしという烙印を押され、自分の人生でありながら、成年後見人や主治医やケアマネジャーといった他者にコントロールされながら死んでいくしかない…。それが現代のニッポンなのです。

そればかりか、自分の子どもたちまでもが他者にコントロールされてしまう場合だってあります。成年後見制度の利用がその典型です。そうならないようにするのであれば、やはり親世代がボケる前に道筋をつけて、それを子ども世代に引き継いでいかねばなりません。

しかしながら、人間というやつは、歳を重ねるほどに我が強くなり、煩悩に執着してしまいがちな生き物です。「死」という考えたくもないテーマを意識の外に放りやって、肝心なことを子どもたちに伝えないままボケてしまう…。そういう、備えておかなかった親の子どもたちがいかに不便や不利益を被ることになるか。そんな多くのケースを見てきました。親世代ひとりひとりが、子どもにバトンタッチするタイミングを見誤らないようにしてほしいものです。

そのタイミングですが、大きくふたつあると思います。ひとつは、「後期高齢者(75歳)になったら」とか、「80歳の誕生日が来たら」とかいうように、具体的に時期を設定してしまうやり方です。あらかじめ子どもたちに財産を引き継ぎ年齢を決め、その時が来たら、例えボケていなくても代替わりを実行するやり方のです。私としては、後期高齢者と称される75歳をひとつの目安としたらいかがかと思います。人生100年を四半世紀ずつに分けて考えてみる。第一四半期は「自分さがし」の25年。第二四半期は「自分づくり」の25年。第三四半期は「自分のこし」の25年。そして、第四四半期は「第二の自分さがし」の25年としてみてはいかがでしょぅか。天から授かったギフトと思って、いま一度自分が生かされていることの意味を模索する25年です。なんだか、とってもオシャレな発想だと思いませんか?

そして、生前相続に踏み切るもうひとつのタイミングは、「周囲の人の誰かひとりでも、あなたの言動にボケの兆しを察知した時」です。引き継ぎのタイミングを具体的な年齢で決めておいたとしても、仮に75歳からすべてを子ども世代に引き継いで隠居生活に移行しようと考えていた人がそれより前の時点でボケてしまう場合だってあり得ます。そうなってしまうと、隠居生活に入るための準備が完了していない可能性がありますから、私としては、後者の時期設定のほうがお薦めです。

それでも問題は残ります。周囲の人があなたの変化に気づいたら…とは言っても、周囲の人があなたに遠慮も躊躇もなく、そんな残酷なことを伝えてくれるかどうか。伝えてくれたとしても、あなたがそうしたショッキングな話を真摯に受け止め、聞き入れてくれるかどうか。とても悩ましい問題です。

言い換えれば、この問題を凛としてクリアせんとするシニアこそが、「クールな老後(国や子どもに依存しない、自律したカッコいい老後)」の実践者といえるのだと思います。決して不可能なことではありません。きわめて少数派ではあるが、四捨五入百世代(50歳以上)に差し掛かった時点で、現代版隠居生活への準備を開始している賢明な人だっているのですから。親世代がいかなる引き際を演じるかで、子ども世代の不便や不利益にはかなりの差が生じてきます。わが子を想う気持ちがあるのであれば、是非とも「クールな老後」への一歩を踏み出してほしい。心からそう願います。


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