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2019年05月19日 [ニュース]

終活セミナーに潜入してみた

世の中、終活ブーム花盛りです。都市部の高級住宅街や富裕層の多いエリア周辺では、まさに終活講座が雨後の筍状態。主催者の顔ぶれは、銀行に法律家に葬儀屋…。誤解を恐れずに敢えて言うなら、ひとの不幸で飯を食らう輩です。

試しに潜り込んでみると…。
夏の終わりに日経新聞に掲載された、「認知症患者の凍結資産は200兆円!」なる記事を巧みに使い、「ボケたらヤバい。ボケる前に、さあ、遺言を書いて公正証書にしろ。任意後見人を決めろ。家族信託契約を結べ。葬儀を予約しろ…」と、危機感を煽って自分たちの商売に繋げようと躍起ったらありゃしません。ことばは悪いですが、独居老人宅に押しかけていきなり布団をカッターで切り開き、あらかじめ細工したルーペを覗きこませて、「ほ〜らね。お宅の布団はダニだらけでしょ」とやって、高額羽毛布団を押し売りする詐欺商法に近い違和感を感ぜずにはいられません。

人並みに正直にまじめに生きてきた人間にとって、成年後見制度だの家庭裁判所だの公正証書だのというやつはイレギュラーな世界の話です。まだ認知症の兆しすら出ていないアクティブシニアに、「弁護士や司法書士や銀行と契約しとかなきゃヤバいぞ…」なぁ〜んて迫られても唐突感は否めません。それでも、です。オレオレ詐欺や振り込め詐欺の被害がいっこうに減らないように、真に受けて素直に財布を開いてしまうシニアだって一定割合でいるわけです。

つくづく思います。こういう商売のやり方ってどうなのかなぁ〜と。百歩譲って、ある特定のイレギュラーな状況下に置かれたシニアにとって、遺言だの公正証書だの家族信託契約だの葬儀の生前予約だのが意味をなす場合もたしかにあるでしょう。でも、大多数のシニアにとっては、手をつける優先順位が明らかにちがうのではないでしょうか。真っ先に取り組むべきは、親世代と子ども世代が腹を割って向き合って、「親が子に引き継ぐものとサポートしてほしいこと」を共有することではありませんか?それを双方が納得しあって、円満かつ円滑に代替わりしていくことこそが真の終活であるべきだと、私は思います。

年々増加する親子間の悲惨な事件を紐解いていくと見えてくるもの。それは、子どもの成長に連れて離れてしまった親子間の心理的距離を縮めることなく、親が子に依存しすぎた結果である場合が多いのです。あるべき終活の第一歩は、子どもがまだ幼かったころの親子の絆を取り戻すことです。

親子の絆をバカにしてはいけません。無償の愛で親が子を慈しみ育て、親の愛に子が恩を報いる美徳が、生き馬の目を抜く現代でも残っていると信じたいものです。

まずは親世代から子ども世代に歩み寄り、至らなかったことを詫び、子に生かされたことを感謝する。その上で、遺し引き継ぐものを明らかにし、エンディングの支援を依頼する。要はギブ・アンド・テイクです。だって、どんなに偉かろうが、どんなに金持ちだろうが、ひとはひとりでは死ねないのですからね。

これは、長生きしなければならない現代を生きる親世代にとって、さいごの大仕事です。頼まれもしないのに勝手に子どもを作った親の側の責務と言っていいでしょう。これさえきちんとしておけば、親は人生のファイナルステージを凛として生きていけるし、子は子で親のエンディングに係る意志をまっとうすべく支えていこうという覚悟が定まるというものです。

(続く)


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