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2019年05月08日 [ニュース]

安心老後大作戦(3)

老いる世間は鬼ばかりです…。

私の父は、2010年11月に死にました。告別式の日、火葬場の煙突から立ち上る絹の白糸が、天空に戯れる桃色子羊たちに溶けていくのを眺めながら、7年にもおよんだ父の療養期間のことが走馬灯のように甦ってきました。認知症の発症、数々の異様な行動、警察やご近所にかけた迷惑、病医院や施設とのトラブル、宮崎への転居……。この間、介護疲れで母は二度救急車で運ばれ、やがて脳梗塞が発覚。私は妻子との別居を余儀なくされ、実家で母を見守りながら仕事に出る日々が始まりました。家じゅうが疲弊し、お金は湯水のように流れ出ていきます。医療の世界で仕事をしていた私ではありましたが、医療や介護に係る諸々の手続きは複雑で、かつ使い勝手は決していいものでないことを改めて痛感しました。ましてや、両親の代わりに病医院や自治体に出向いてやりとりをしようとすると、個人情報がどうたらこうたらと言われて、なかなかどうして面倒くさい。実の息子であっても、です。

「いろいろあったよなぁ」。
ふぅっと息を吐きながら、これまでの自分の仕事について考えを巡らせたものでした。私は長年、病医院経営のお手伝いをしてきたのですが、これと並行して、医療や介護を利用する側である患者さんたちを支援する市民活動も行ってきました。そうしてみると、父絡みであちこちを奔走したひとつひとつのことが、私の血となり肉となっているんだよなぁ〜と感じられてきたものです。そしてこの血と肉は、いまの混迷する時代を100年近くも長生きしななければならない人たちにも伝えておくべきではないか。医療や介護をはじめとする、数々の「通らねばならない道」において、知らないというだけで無用な不利益を被ることがないように……。そんな思いから、いろいろな機会に、いろいろな場で、老後を控える多くの人にこんな話をお届けするようになりました……。

さぁ、困った! どうしよう! 
私たちの毎日はこうしたことの連続です。まして高齢者だけの世帯ではなおさらでしょう。
波のごとく押し寄せるさまざまな不安や心配に、夜も眠れない……。
そんな人も多いのではないでしょうか。

子どもたちと離れて暮らしている高齢者世帯にありがちな風景。それは、心配や不安が生じてもついつい我慢してしまい、結果的に大きな問題になってしまうということです。 
「ああ困った。どこに連絡すればいいのか、誰に相談すればいいのかわからない。どのように説明すればいいのかもわからない。相談したところで、小難しい説明をされたり、あちこちたらい回しにされたりするのではないかしら。まぁいい。面倒だから、我慢しよう」。 
こんな姿勢が取り返しのつかない結果を招いてしまうことが多々あります。世界に類のない長生き国家となったわが国ですが、逆に長生きしなければならない時代ゆえのさまざまなリスクがあることを忘れてはなりません。

例えば、医療・介護・お金・葬儀等の問題。これらは、命あるものであれば誰しもが必ず通る道でありながら、そもそも積極的には考えたくないテーマであることに加え、専門性が高くとっつきにくい分野でもあります。だから、ついつい先送りにしてしまった結果、いざその時になって思わぬ不利益を被ってしまう……。手っ取り早く言ってしまえば、要するに、払わなくてもいいお金を必要以上に費やしてしまうということ。そんな例が巷には溢れています。そんな危険を孕んでいます。そして、多くの場合、分かれ目はきわめてシンプルです。
 
ちょっとした情報や知識を持っているか持っていないか
危険を回避する術を知っているか知らないか

たったこれだけの違いで運不運が分かれてしまう現実。つくづく、私たちは元気なうちにこそ、しっかりと老後の計画を立てて、準備をしておくべきだと思います。

戦略なき国家、ニッポン。もはや、この国の政治や経済に本気で期待している人はいないと思います。
この国のシニアたちは、やがてシニアになる人たちも含めて、国にも子どもにも頼れない時代を長く生きていかなければなりません。

そんなこと、別になんてことないじゃないか!
自分の幕引きは自分でやるさ。自分らしく、ね。
もちろん子どもや孫たちにゃあ、やることはやってやる。
その上で、自分の老後と最期は、きっちりと自分でケリをつける。
だれにも迷惑はかけないよ。
だから子どもに媚びもしなければ気も遣わない。
だれに何の負い目も引け目もない。
それが、長生きしなきゃならない時代を活きる自分たちのクールな老後。
だから……。
そう。
元気なうちから準備をしっかりとやっておこうじゃないか。
 
こんなクールな老後はかっこいいと思います。そんなシニアを応援したいと、心から思います。そしてこれが、私がシニア向けのNPO活動を始めた動機でもあり、続けてきた理由でもあるのです。私からのメッセージが、円滑な老後計画を考えるきっかけとなってくれればいいかなぁと思っています。そして、子に媚びず気を遣わず、誰に負い目も引け目もない……。そんな自律した、クールな老後を過ごすための第一歩を踏み出していただけたなら、こんなに嬉しいことはありません。

そんなことを日々考えながら、いまは百寿グループの存在を全国のシニアに届けようと奮戦しています。




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