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2019年03月19日 [ニュース]

要介護状態になったらどうするか? 〜要介護認定の申請手続き誰がやるのか?

もしもあなたが要介護状態になったとします。介護サービスを利用するには、然るべき手続きが必要となります。さて、あなたは誰に、介護サービスを利用するための事務手続きを頼むつもりですか?
この手続きはなかなか厄介です。離れて暮らしている子どもが仕事の合間を縫ってこなすにはちょっと大変。少なくとも、「もしもの場合には息子(娘)よ、頼む」とあらかじめ伝えておかないと、子ども側に多大なワークロードとストレスを強いることになります。子どもたちだって忙しいのです。こころの準備と覚悟がいります。長い年月をかけて心理的にも物理的にも距離の離れてしまった子どもに対して、困ったときだけ携帯電話を鳴らしまくるようなことをしていては、残念ながら安らかな最期を迎えることはむずかしいと知るべきでしょう。
そもそも、人類には、成人した子どもが老親の介護をするなどというプログラムは遺伝子に記録されていません。刻まれているのは「子を産んで育てる」のみ。だって、ついこの前(昭和40年代)までは、子どもが成人する前にほとんどの親は死んでたわけですからね。それを現代の子どもたちは、プログラミングもされていない過酷な作業を理性の力だけで堪えながらやってるということ。そう考えれば、本当に偉いと評価せざるを得ません。
でも、それこそリスクであって、はじめのうちは、「まぁ、産んで育ててくれた親だからしゃあないか」と対応しているかもしれませんが、それが延々と続いていくうちに次第に雲行きが怪しくなっても不思議ではありません。年々増え続ける介護をめぐる悲惨な事件。あれがいつわが身にふりかかるかは誰にもわからないのです。だからこそ、万一、親に介護が必要となってしまった時には、「息子(娘)よ、以下の手続きをよろしく頼む」と、前もって伝えて了解を取っておかねばなりません。その際のポイントは、遺し引き継ぐものもセットで伝える、ということです。

さて、実際の要介護認定の申請手続きの流れは、以下の通りです。
 ●親の住民票のある自治体の介護保険課に出向き要介護認定申請を提出する
●自治体から派遣されたケアマネジャーによる聞き取り調査に立ち会う
 ●かかりつけ医に主治医意見書作成を依頼する
 ●要介護度決定を受けてケアマネ(居宅介護支援事業者)および介護事業者と契約する

聞き取り調査時に陥りやすい要注意点があるので触れておきましょう。ここで対応を誤ると、せっかく時間を割いて要介護認定の手続きをしたのに、思うように介護サービスを利用できないなんていうことになってしまいかねないので気をつけたいところです。

◎必ず家族が立ち会うようにする
なぜ聞き取り調査に本人だけで臨ませてはダメなのか。それは、本人の自尊心がなせる業で、プライドゆえに普段はできていないことまで「それはできてます。問題ありません」などと答えてしまうことが多々あるから。本人任せで実際の介護状況より控えめに伝えてしまうと、適切な要介護認定を受けることができなくなってしまうリスクがあるのです。調査員にも意欲も責任感もないことがままあるので、額面通りに記録されてしまっては笑うにも笑えない評価になってしまったりもするので注意が必要です。調査当日は必ず家族が立ち会い、実情を詳しく伝えましょう。
とくにお薦めなのは、聞き取り調査の後に本人のいない場所で会話をすること。そこで、「本人はああ言っていたけれども実際は…」と、多少話を盛るくらいの演技が必要です。認知症不安がある場合は聞き取り調査には反映されない場合がほとんどなので、日常的な不自然な言動について具体的に伝えるとともに、それを目の当たりにする同居者の不安とストレスを役者にでもなったつもりで伝えきることが重要です。

◎気づいたことは遠慮なく伝える
要介護度認定調査票には特記事項を記入する欄があります。要介護者の日頃の様子や行動などの具体的な記入があれば、介護認定審査委員会で要介護度を検討する際の参考にしてもらえます。調査員から質問されることだけではなく、気づいたことや日常生活で困っていることなどがあれば、どんどん伝えて、特記事項に書いてもらいましょう。
「同居家族の疲弊が著しい」という記述は、要介護度の評価を上げるにはとても有効であることを記しておきます。なお、疲弊しているわけですから、高級コスメやブランド品を身にまとって聞き取り調査に立ち会うなどという愚を犯してはならない…ことは論を待ちません。

◎困っていることはできるだけ具体的に伝える
困っているという状況を伝えるだけでは、調査員も正確な判断をすることはできません。「足の力が弱くなったので、洋式トイレでも手すりがないと立ち上がれない」・「関節痛で膝が痛くて曲がりにくいので、和式トイレが使えない」・「大腿骨を骨折して人工骨を入れる手術をしたため、股関節が開きにくい」など、できるだけ状況を具体的に伝えるようにしたいものです。
それによって家族がいかに大変な状況にあるかを伝えましょう。「昼夜逆転して夜中に何度も起こされ、家族の生活のリズムが狂いはじめている」などと遠くを見つめるような視線で語るくらいの演技力がないと、一日に何人もの聞き取りを行う調査員にインパクトを与えることはむずかしいと思うくらいでちょうどいいかもしれません。

あと、かかりつけの主治医がいる場合には、介護保険課に申請書類を出すよりも前の段階で、「近日中に要介護認定を申請するので、主治医意見書のほうをよろしく」とネゴっておきましょう。多くの場合、審査結果が出るまでに時間を有する最大の理由が、「主治医意見書がなかなか提出されてこない」というもの。ならば先手を打って、主治医に根回しをするくらいのフットワークを見せたいところです。


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