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2020年10月30日 [Default]

テレワークは本当に介護離職の解決策となり得るのか

コロナで変わる介護と仕事の両立


介護離職という言葉を聞いたことがありますか?家族の介護の為に会社を退職することで発生する社会問題です。超高齢化社会を迎える日本人にとって、この問題は国をあげて対策を講じてきた課題ではありますが、一向に改善は見られません。そんな中、今年は新型コロナが流行したことにより、緊急事態宣言の元、リモートワークという新しい働き方が浸透しました。奇しくも、在宅で働けるようになったことでこれまで以上に家族と過ごす時間が増え、介護と向き合う時間の確保を後押ししたかのように思えます。ところが、高齢者の現場で働く我々にはこの状況を楽観視する意見に疑問符が残ります。果たしてその現実はどうなっているのでしょうか?

これまでの介護離職の動き


2017年に「介護休業制度」「介護休暇制度」「介護のための勤務時間の短縮等の措置」といった3つの制度が改正され、企業で働いている人は仕事と介護を両立するための体制が整いはじめました。特に「介護休業制度」は要介護者の家族1人につき、通算93日まで仕事を休業することができる制度です。この制度は以前までは年に1回までしか取得することができませんでしたが、改定後は3回まで分割した取得が可能となりました。また年に5日まで休暇を取得できる「介護休暇制度」に関しても、以前は1日単位でしか取得できなかったのに対し、半日単位で取得できるように改正されました。一見すると、柔軟な休暇取得をできるようになり、介護者を持つ家族にとっては嬉しい改善が行われたように思えます。しかしながら、政府や企業、要介護者を抱える家族にとっての「理想と現実」や「本音と建前」には大きな乖離があるのです。

介護休暇で休むと同じポストに戻って来れない


介護を必要とする家族を持つ会社員は40代から徐々に増加していき、50〜60 代でピーク を迎えます。この年代といえば、社内でも何かしらの役職についていることが多い反⾯、実 質的な内容の薄い業務をこなす中間管理職であることも多く、リストラの候補であることも多いのです。この年代以外の若い会社員であれば尚更、替えがきく戦⼒であることが多いので、休職から復帰したら⾃分のポジションがなくなっていたという相談もあります。制度的には介護休職あけは元のポジションに復帰させることが前提となっているものの、実際には上司やチームの面々からパワハラまがいの発⾔をされたり、次の異動のタイミングで配置換えになったりというケースが後を絶ちません。最悪の場合、離職に追い込まれるような事態もあるとの報告もあります。会社としてはこの制度を導入していたとしても、現場で働く人間にとってはこの制度で仕事に穴を開けられるのは迷惑でしかないというのが本音でしょう。そもそも取得することすらはばかられるようなこの制度で休暇を取得したところで、復帰して会社に戻ってきたあなたが肩身の狭い思いをするのは必然と言えるでしょう。下記に具体的な介護休暇申請をした方の相談ケースをご紹介します。

【ケースその1】大手電機メーカー勤務の男性(55歳)、妻とは死別、成人した娘1人、実母(84)が認知症になってしまった方のケース。会社の制度で介護休業は最長365日取得可能だったが、実母の介護をしたくても実際問題として仕事が忙しくて休めなかった。ようやく休業申請するも、上司は「従業員5万人の中で、過去に十数人しかとっていない。しかも男性は5人だけ」と休職しにくくさせるようなパワハラ発言。彼は休職期間中も電話やメールでの職務を強いられ続け、件の上司からは「管理職としてやっていけるのか?」と嫌味を言われる。実母の容体が悪化して介護休業の再申請を行った際に「もう無理だろ。辞めなさい」と最後通告を受け、早期退職届を提出した。

【ケースその2】生命保険会社の営業管理職の女性(53歳)、子供を3人持つシングルマザーのケース。実家の父親が認知症となり、母親の負荷を減らすため、実家のある首都近郊と東京を往復を繰り返す日々が続く。半年間の介護休業を取得するも、その間も電話やメールは鳴り止まず、半ば強制的に状況報告の為の月1出社を求められるようにもなり負担はさらに増加。職場復帰時には実家に近い支店に転勤を打診されるも、仕事内容に納得いかず拒否すると、休業中に代役を務めた後輩の補佐役に降格させられた。

【ケースその3】大手百貨店法人外商担当課長の男性(57歳)、子供2人のケース。義父の認知症が発症してから半年ほど、営業の合間の時間を使って対応していたが、仕事のドタキャンや有給休暇の取得が重なり、上司から「またか!」と叱責されるように。人事担当に出向き相談するも「まずは所属長を通せ」と言われ、直属の上司に伝えると「君がやんなきゃならんのか」とたしなめられた。有給と変則勤務でなんとか乗り越えようとしたが、3ヶ月でギブアップ。「契約社員にならないか」と打診される。

関連記事紹介:『介護休業をとってはいけない!専門家が語る実態』(ダイヤモンド・オンライン編集部)
テレワークは介護離職の抑止になるのか

コロナで変わる介護と仕事の両立


そんな中、冒頭でも触れたように今年は新型コロナの影響で会社に行かないで働くワークスタイルが認知され、そこに付随する通信機器やウェブカメラなどの設備が普及しました。これによって自宅にいながら会社と連絡を取り合い、業務をこなすことが容易になりました。総務省の「平成29年通信利用動向調査」によれば2017年時点の日本企業のテレワーク導入率は13.9%でしたが、今年の3月の緊急事態宣言後には26%と大幅な増加が見られたようです。このような働き方が浸透したことによって期待されるのが、リモートで働きながら、家族の面倒をみるスタイルでの介護と仕事の両立です。これまでは少なくとも会社と自宅を往復するだけでも一日の数時間を使っている方が多かったかと思います。その時間を家族と過ごす時間に当てることも可能です。また会社に行かなくても対応可能な業務がいかに多いのか社会全体が気づくきっかけにもなりました。介護離職をすることなく働き続けることができるようになると期待する声が上がり、これまで無駄に使っていた時間を介護の時間に当て、家族の支えとなれると考えた人も多いようです。可能な限り合理的かつ効率的な働き方を実現することでこれまで以上に家族と向かい合う時間を確保することが可能になったと感じる方もいる中、私はあえて警鐘を鳴らしたいと考えています。

テレワークと介護の両立に関する大きな勘違い


テレワークで家族と向き合う時間が確保できれば、働きながら家族の介護をすることも可能なのでしょうか?その答えは「No」です。そもそも丸一日休みがあったところで、それまで介護に携わった経験がない方が急に介護をしようとしても、それは無謀な行為です。介護というのはテレワークで働きながら片手間でできるようなものではないのです。また在宅の時間が増えたとはいえ、会社の業務が減るわけでもありません。仮にあなたのオフィスに介護が必要な家族が同行していたとして、日々の業務をこなしながら家族の面倒を見ることができるかを想像してみてください。自分たちがやろうとしていることがいかに困難なことか理解できるでしょう。
介護のことは介護の専門家に

まずは介護の専門家に相談しましょう


身体的、物理的にテレワークの普及が介護の手助けになるとは限らないとご理解いただけましたか?しかし最も大きな問題は精神的な問題です。介護離職を検討する世代というのは休暇制度を取得すること自体も遠慮してしまう世代であると同時に責任感も強く、要介護者の介護は身内がしなければいけないと考えている方が多いです。その為、周囲や専門機関に相談せず、自分1人で問題解決しようという思考になりがちです。最も重要なことは1人で抱え込まず、介護サービスの専門家に相談することです。我々、百寿コンシェルジュはそんな皆さんのベストパートナーとなり得る存在です。百寿コンシェルジュとは医療・介護・保険・相続・葬儀など、高齢者とその家族が直面する様々な問題に対しての悩みを解決してくれるスペシャリストです。幅広い知識と技術と人間性を兼ね備えたプロフェッショナル、それが百寿コンシェルジュなのです。どんな内容でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

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